北佐久郡御代田町 【旧車5-1】マツダ キャロル360 エンジンの白煙修理と車検Part1 BANANAオート

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旧車⑤
マツダ キャロル360
エンジンの白煙修理と車検 Part1

 バナナオートでの旧車整備の事例をご紹介するページ、今回は【マツダ キャロル360】の整備です。

7月、静岡県からナンバーのない小さな車が積載車に運ばれて入庫しました。
昭和41年式のKPDA型キャロル(前期型)です。

現状ナンバーがないので車検と、その前にエンジンからの白煙をどうにかしてほしいとのご依頼です。
エンジンは一応駆動し走行は出来るものの、白煙がもくもくと出て車体が見えなくなるくらい煙幕を張ってしまう症状がありました。


キャロルはお客様の長年の憧れの車であったそうです。
念願叶ってやっと手に入れたは良いけれど、お近くでは修理に対応してくれる工場が見つからず、当店のHPにたどり着いたそうです。

遠方より当店を見つけ大事なお車を任せて頂いた信頼と、
見て楽しむだけではなく、車なのだから実際に走って楽しみたいというご要望にお応えしたいと思います。


早速ですが白煙の原因として、まずエンジンとシリンダー内部のピストンリングの固着が疑われました。
ピストンリングを交換したいですが、旧車の場合パーツが希少なので、交換品が用意できるかという段階で修理が難航するパターンが多いです。

幸い、今回はお客様が部品のストックをそろえてお持ちでしたので、
ピストンリングも交換、その他ガスケット類等の心配もなく、スムーズに修理に移行出来そうであると判断しました。

さて、まずはエンジン本体を車体から取り外します。
年数を経た車ですので、ネジ・ボルト類は簡単に外れないものがほとんどで、固着して簡単にネジ切れてしまいそうなものもあります。
どんなに小さくてもキャロルの一つの部品である以上、破損しても修理がきかず交換品もない可能性は大いにあります。
ドライバーで回すだけでなく、バーナーであぶったり削ったり、細心の注意をはらいつつ作業を行います。

通常のエンジン取り外しの数倍の時間が必要なため、お客様への進捗報告では「まだエンジン降りてない!?」とやきもきさせてしまったと思います。

他の修理店さんが敬遠した理由も、この辺りにある気がします。

一部マウント部でどうしても切り離しが必要な箇所があり、そこはのちほど再溶接加工を施しました。

ようやくエンジンが外れました。

キャロルはかつてのローバー オースチンのミニクーパーに似て、上部がエンジン、下がミッションの二段構成になっています。
ミニクーパーが現行車の多くが採用しているFF方式(フロントエンジン・フロントドライブ)で、エンジンが前方に位置する前輪駆動
であるのに対し、キャロルはRR方式(リヤエンジン・リヤドライブ)です。
エンジンが後方トランク部に格納された後輪駆動という、今では珍しい駆動方式ですが、当時はそれが一般的でした。
FF車は少なく、軽トラックさえ2WDの時代、4WDといえばジープタイプぐらいでした。
まだパワステが採用されない頃なので、頭でっかちでハンドルを重くしないという点でもRR方式は良かったのだと思います。

※エンジンの位置と駆動動方式には、FFとRRの他にFR(フロントエンジン・リヤドライブ),MR(ミッドエンジン・リヤドライブ),4WDがあります。
○○エンジンはエンジンの位置(フロント・ミッド・リヤ)、○○ドライブは駆動輪を表します(フロント・リヤ)。
4DWはエンジンの位置はフロント・リヤどちらの場合もありますが、四輪すべてが駆動輪のものを指します。


エンジンが後方に積んであることによって、比較的エンジン音が気にならないのかなとも思いますが、この辺りは個人の感じ方によりますね。

少々わき道にそれました。
続いての作業はエンジンの分解。

キャブレター、マニホールド、エキゾースト、ラジエーター、オルタネーターをことごとく外します。
オイルとクーラントも抜きます。

こちらはヘッド部分。
KPDA型キャロルのエンジンはOHV(オーバーヘッドバルブ)の4サイクル4気筒360ccです。
少排気量で4気筒、非力なような気がしますが、当時は2サイクル2気筒が当たり前の時代だったので、コスト的にもリッチなエンジンと言えます。
しかも、空冷が主流であった中水冷エンジンを採用しているおかげで、冬場でもヒーターが効きます(当時はヒーターはオプション)。

ヘッド部が外れたらクラッチ部、シリンダー部と下側のミッションを慎重に分解していきます。
ピストン・シリンダーが露出したら、本来の目的であるピストンリングを交換します。

細くて小さいのでここも特に慎重に。
シリンダー等はキズもなく良い状態です。

ピストンリングの交換を終えたら折り返し地点です。
分解したエンジンを組み立てていきます。

せっかく分解したので、錆付いたネジやナット類を含め入手できた部品類の交換を行い、パーツもクリーニングします。
メーター通りであれば走行距離は17,000km程と、年数に対してかなり少ないですが、長年の汚れはどうしても溜まってしまいますね。

だんだん分解前の姿に近づいてきました。
エンジン分解からだいぶ時間がかかってしまいましたが、ようやく車体に戻します。

オイル、クーラントを注入し各部を点検、エンジンを始動させます。
白煙はしばらく出ましたが、マフラーが暖まり残留していたオイルが排出されきったあたりで収まっていきました。

その様子を見るのと並行し、キャブレターや点火時期の調整、タペット調整も行います。
旧車の場合はアイドリングや吹け上がり方など、データだけでなく五感を駆使してごきげんを取ってあげることが必要になってきます。
特に音が教えてくれる情報は多いです。

また、点火系が弱いのがネックなので、ポイント式からセミトラ式へ。
本当はフルトラ式にしたいですが、合うものが見つからず...。
プラグ、プラグコードも新調し、忘れずコイルにかかる電圧も12V確保する為、回路を追加します。(旧車に頻発する電圧ドロップの対策です)

電装系の能力が向上し、この時点でアイドリングの安定性や回転数上昇の滑らかさが目に見えて変化してきました。

エンジンはこれでひとまず大丈夫として、残るは車検の為の全体整備です。

まず排気漏れがあったので、マフラーに空いた穴を溶接でふさぎます。

それからステアリングギヤボックスのガタと破れたラックブーツの修理なのですが、
キャロルはラックの脱着が大変で、ちょっとコツを要する作業です。
(ラックブーツのみでお問合せ頂くこともあるので、特注作業代行メニューもあります→
【キャロル360/KPDA】ステアリングラックブーツ取付加工【特注作業】)

ラックが外れたら、まずラックブーツを交換。
これは当店の新規製作代用品を使用しています。(販売ページはこちら)

それから本来ブーツに覆われてはまっているはずの樹脂製のカラー。
過去に何台かキャロルのステアリング部を修理させて頂いたことがあるのですが、そのカラーが形を保って残っていることは稀で、
多くは紛失しています。
今回も行方不明になっていましたので、代わりにアルミ製の代用品を使用することとしました。

アルミ製カラーはこちら
【キャロル360/KPDA】ステアリング用カラー左右セット(新規製作代用品)


ピニオンシャフト側のオイルシールとベアリングも忘れずに抜き、取り替えたら
再び本体へ。隙間に気を配りながら取付けます。

その後はサスペンションやロア&アッパーアームブーツ、タイロットエンドブーツ等のゴム類を点検し、ひび割れや切れているものを交換しました。

そしてトーイン調整、ハンドルの狂い確認を行い、この辺りは大きな問題もなく終了。
ブレーキ周りではフロントのホイルシリンダーから漏れ有のため、カップゴムを交換。
カップゴムはこちら
【キャロル360/KPDA】ブレーキカップゴム前輪セットor後輪セット

ここまで比較的順調でしたが、ブレーキホイルシリンダーのエアー抜きを行おうとした段になって、問題発生。
錆により固着し、回る様子のなかった左前輪のブリーダーバルブ、そっと作業を進めていたのですが、緩めると同時にネジ切れてしまいました。
仕方なくシリンダーを一か所外し、ブリーダーバルブ部分を加工して再取付けという処置を施しました。

フロントの足回りは終了です。
キャロルの整備はまだまだ半分くらいですが、1ページに収まらないので2回に分かれます。
続きの記事はこちら!
›【旧車6-2】マツダ キャロル360 いよいよ車検

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